甲子園のサイレンが鳴り響くそれに似たような、緊張感すら感じる力強いギターフレーズが印象的なイントロから始まる楽曲『ドラマチック』。
テレビアニメ『おおきく振りかぶって』のopとなった曲で、Base Ball Bear自身初となるアニメのタイアップソングでもある。
ベボベの誇る代表曲『BREEEEZE GIRL』、『17才』などに肩を並べるほどの、屈指の夏曲だ。
『ドラマチック』は、終始ミディアムテンポながら、キャッチーなフレーズの連発、リズミカルな楽器隊の演奏により、縦ノリを誘発している。
今回は、そんな『ドラマチック』の持つ溢れんばかりの魅力を紹介しつつ、歌詞の考察をしていこうと思う。
もう9月に突入し、夏が姿を隠し始めているとはいえ、ベボベを聞いている間は年中”夏”気分だ。
ベボベ屈指の夏曲『ドラマチック』の魅力
さっそくだが、『ドラマチック』の魅力について、いくつかの項目に分けて解説していく。
繰り返されるキャッチーなフレーズ
『ドラマチック』の魅力の一つとしてあげられるのは、リズミカルに繰り返されるキャッチーなフレーズ。
ドラマチックチック 止められそうにない
https://www.uta-net.com/song/53351/
止めたいと思わない
サビで「ドラマチックチック」と、表題でもある「ドラマチック」という単語をトリッキーに歌っている。
リズムをずらして「ドラマチック」と単語を歌唱すれば「チック」を連発する必要はないのだが、あえて「チック」の2連発をぶち込むことで、思わず口ずさんでしまうような、超キャッチーなフレーズを作り出しているのだ。
時がチクタク 止められそうにない
https://www.uta-net.com/song/53351/
涙が止まらない
ラストサビでは、ドラマチックの”チック”に、時がチクタクの”チク”という音を重ねている。
胸が騒ぎ立てられるような夏の暑さ、刺激的な風景に、この”チック”というフレーズがよく合う。
誰が見ても「ダサい」と感じるMV
『ドラマチック』のMVは、とにかくダサい。
曲はこんなにも夏っていて、ドラマチックチックで最高なのに、「なんだこのミュージックビデオは!」と威張り散らかす輩がいてもおかしくないほどに、ダサい。
終始ダサいので「何分何秒のこのシーンがダサい!」といちいち紹介するほどでもないのが、ダサさの秘訣なのだろう。
「どうしてこうなった」以外の感想が浮かばないMVと、夏曲の究極系と言っても過言ではない曲『ドラマチック』のミスマッチが、より楽曲そのもののかっこよさを引き出しているように感じるのは、気のせいだろうか。
こいちゃんがこのMVでゴーサインを出したのは、おそらく、このMVを観てそうした”ズレ”ごと楽しんで貰うためなのだと思う。
いや、きっとそうに違いない。それしか考えられないのだけれども。
最後に
ベボベ屈指の夏曲『ドラマチック』の魅力をざっと解説し終えたのだけれども、いかがだっただろうか。
「もう9月だから夏曲なんて聴いても意味ないじゃん」と揶揄されそうで怯えてはいるが、一度騙されたと思って聴いてみてほしい。
現在の季節など関係なく思えるくらいに、ベボベが”夏”のパラレルワールドへとヘヴンズ・ドアーで誘ってくれるから。
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