個人的年間ベストソングまとめ。TOP50（50位〜21位）

新型コロナウイルスの向かい風を受けた2021年。音楽業界の苦しい状況が続く中、今年もアーティスト達は実に様々な輝きを放つ楽曲を生み出してくれた。

今年も、いろんな音楽と巡り会うことができた。そんなわけで、今年リリースされたベストソングを30個に絞って紹介していく。

年間ベストソング50位〜41位
年間ベストソング40位〜31位
年間ベストソング30位〜21位

年間ベストソング50位〜41位

50位. 夏嵐 / ジェニーハイ

天才ミュージシャン・川谷絵音を筆頭に、各方面で才を発揮する5名の曲者が集まったジェニーハイによる夏曲。イントロから駆け行く爽やかなストリングスが、楽曲タイトルにもある夏の嵐をイメージさせる。日向坂46・金村美玖が出演しているミュージックビデオで描かれた聡明な夏景色とのマッチングも申し分ない。

49位. ベテルギウス / 優里

フォーキーな恋愛ソング『ドライフラワー』で一躍その名を全国区にのし上げた優里による、メジャー8作目となる配信シングル。サビでの感情の入れ込み具合が草食系男子のそれとは思えないほど圧巻で、絶対カラオケで真似できないよな、と思ってしまう。恋愛ソングとしての完成度も十二分に高くて、代表曲『ドライフラワー』と肩を並べるくらいのポテンシャルを秘めているのは言うまでもない。

48位. 3分29秒 / ヒトリエ

初代ボーカルとの死別を乗り越え3人体制として2021年に再始動したヒトリエが、とんでもなくエッジーでバンドの記名性がはっきりと表れた、超攻撃的な楽曲を生み出してくれた。TVアニメ『86 – エイティシックス』の主題歌、いわばアニソンという立ち位置にはなるのだけれど、アニソンであることを忘れてしまうくらいにヒトリエの独自性を発揮したサウンドが終始暴れ回っている。曲名に従わずサブスク音源の実際の尺は3分31秒なのも、どこか退廃的で惹きつけられるポイントなのでは。

47位. 緑酒 / 東京事変

東京事変が2021年にリリースしたフルアルバム『音楽』の、1枚のアルバムとしての完成度は言わずもがな、収録曲『緑酒』にはとにかく今の荒んだ日本社会に必要な要素が全て詰め込まれた1曲。終盤に向かう過程で次第に音数が増えていき、祝祭感が高まっていく様は、この国の応援歌としての役割を全て請け負っていけるほどの力を包括している。

46位. 夜行 / indigo la End

またまた登場、川谷絵音。が率いるロックバンド、indigo la End通称インディゴによるアルバム『夜行秘密』のリード曲。とにかくお洒落。お洒落の極みエンド。ぜひ一度イントロだけでも聞いてみてほしい。

45位. おにごっこ / AliA

AliAの代表曲にはタイトルに『かくれんぼ』と掲げた楽曲があるのだけれど、この『おにごっこ』は子供の遊びを冠した楽曲第2弾ということになる。Bメロには《鬼よclap!! この手の鳴る方へおいでよ》というフレーズ。鬼から逃げるのではなく、あくまで自分を捕まえて欲しい、と訴える。ここでの《鬼》とは、行手を阻む悪者ではなく、共に夢を追いかけたい仲間を指しているのだ。おにごっこを青春ストーリーと重ね合わせてしまうセンスに脱帽。

44位. なんでもないよ、/ マカロニえんぴつ

マカえんは、どれほどそのバンドの名を世間に広め、バンドの規模を拡大しようと、初期のマカえんのスタンスを変えることはない。「古参ファンも安心して俺らに一生ついて来い」と言わんばかりにボーカル・はっとりの美声が先導し、安らぎのグッドメロディーを届け続けてくれる。『なんでもないよ、』には、そんなマカえんの心意気が余す所なくパッケージ化されている。

43位. BAN / 櫻坂46

2020年に1本の欅から満開の桜へと変化を遂げた櫻坂46による2ndシングル。前作『Nobody fault』では《勝手に絶望してるのは/信念がないからともう気付け》と各々が内に秘める脆弱さへ働きかけた彼女達が『BAN』で歌うのは、周りがどうあれ自分は自分で在り続けようと抗う信念。人によって人生の価値観は実に様々であるが、ブレない自分を保ち現代社会を生き抜いていかんとする気概は、時に大切なことなのかもしれない。