【就活生向け】元鉄道会社社員が語る 鉄道会社勤務に向いてる人・向いてない人の特徴とは

コラム

“鉄道会社”と聞くと、どのようなイメージが思い浮かびますか?
私たちの生活を支えている旅客鉄道輸送。
日々の安全・安定な輸送を支えているのは、鉄道会社の社員たちです。

僕は過去に、1年間ほど鉄道会社の正社員として勤務していました。
元鉄道会社社員の立場から、鉄道会社勤務に向いてる人・向いてない人の特徴について解説していきます。

鉄道会社とは

鉄道会社には、JRグループのJR東日本・JR東海や、私鉄と呼ばれる東急電鉄や小田急電鉄、観光地を走る江ノ島電鉄などが該当します。

鉄道業は社会貢献度が目に見えて高い業種ですよね。

鉄道会社によって、経営理念や自社で持っている強みが全く異なるため、就職先に選ぶ際にはしっかりと各鉄道会社の特色を調べた上で、選考に進むのを強くおすすめします。

向いてる人・向いてない人がはっきりしているのが、鉄道会社の特徴です。

給与もピンキリなので、給与面を重視している人はとくに慎重に選ぶ必要があります。

鉄道会社に向いてる人・向いてない人の特徴をしっかりと理解した上で、鉄道会社への入社を検討した方が良いかもしれません。

鉄道会社の職種について

鉄道会社における職種は大きく分けて4つ。

  • 現業職①(駅員・車掌など)
  • 現業職②(車両整備・保線など)
  • 総合職
  • 事務職

以上4つの職種について詳しく見ていきましょう。

現業職①(駅員・車掌など)

この職種が一番イメージしやすいのではないでしょうか。
制帽を被り、駅の改札付近の窓口でお客さんの対応をしている人や、電車を運転している人たちがこの現業職①にあたります。

キャリアステップとしては、駅員→車掌→運転手といった流れが一般的です。

運転手になるには相当な訓練と適性が必要なので、現業職①に就いた誰もが運転手になれるわけではありません。

現業職②(車両整備・保線など)

現業職②は、主に線路沿いや車両基地内で仕事を行います。

踏切付近で作業服を着た男性の集団を見かけたことはありませんか?
あの方たちも基本的には鉄道会社の社員で、保線の仕事に携わっています。(関連会社の社員の可能性もあり)

車両基地に関しては、一般の立ち入りが禁止されているためイメージしにくいですよね。

実は各鉄道会社ともに車両基地(いわゆる車庫)を持っており、そこで定期的に車両のメンテナンスが行われています。

車両整備の経験を積み、いずれは設計などの部署に異動となる場合も。

この車両基地を拠点に働いているのが、車両整備や保線の仕事をしている鉄道会社の社員です。

総合職

総合職は、鉄道会社に限らずどの会社にも存在する区分です。
名前の通り、さまざまな部署を渡り歩き、総合的に業務を経験できるのが特徴。

文系の総合職であれば、最初の数年で駅員や運転手を経験して基盤を作り、その後営業や広報部門など、さまざまな部署を渡り歩くことに。

理系(技術系)総合職であれば、最初の数年で現業職②のような業務を経験して現場知識を身につけ、その後人事や設計部門など、さまざまな部署を渡り歩きます。

事務職

事務職は、名前の通り事務に関する業務を行います。

基本的には本社のオフィス内のみで業務が完結するため、鉄道会社で働いているという実感を得にくいというのが、事務職にしかない特徴です。

例外的に、現場に出向いて業務を行うこともあります。

鉄道会社ならではの7つの特徴

4つの職種すべてに共通する鉄道会社ならではの特徴は、以下の通りです。
ここでは、鉄道会社のプラス面とマイナス面に分けて紹介します。

 プラス面

  • 鉄道輸送を支えている誇りが持てる
  • 旅行のハードルが下がる
  • 仕事で関われる人数が多い

 

 マイナス面

  • 時間に厳しい
  • ルーティンワークが大半
  • 副業に対し寛容でない
  • 新幹線(または電車)を見てもワクワクしなくなる

これら7つの項目について、一つずつ見ていきます。

鉄道輸送を支えている誇りが持てる

鉄道会社の仕事をすると、鉄道輸送を支えているという誇りが持てます

これは働いていた当時ほんとうに感じてましたね。
自分が日々行なっている仕事が、日々の列車運行に役立っている。

地味で味気ないような仕事の連続でも、その誇りを少しでも持つことでやりがいを感じることができました。

旅行のハードルが下がる福利厚生

鉄道会社で働くメリットは、何といっても鉄道会社ならではの手厚い福利厚生です

自社線内であれば、運賃に関しては基本無料で乗車することができます。(一部制約あり)

休日を利用して、電車や新幹線で格安旅行をしてみてはいかがでしょうか?
せっかく鉄道会社に入社したのなら、ガンガン特権を利用しちゃいましょう!

仕事で関われる人数が多い

鉄道会社は部署・人の数がとにかく多いため、仕事で関われる人の数がかなり多いです

現業職となれば、そもそも現場で働いている社員数が多いですし、総合職の場合だと関わる部署が多いです。

その分関わる人数が増え、業務の幅も広がります。

時間に厳しい

鉄道会社は、時間に厳しいです

これは鉄道会社に入社してしまったら、一生避けては通れない問題です。
出勤日に一度でも遅刻をしてしまうと、その後の昇進スピードにも影響してしまうほど。

ぼくは、鉄道会社に勤めていた際、「寝坊をしたら枕が爆発する」と自分自身に暗示をかけ、デスゲームのように毎日の起床と格闘していました。

鉄道会社がこれほどまでに時間を大切にしている理由。

それは、鉄道の運行が予定より1秒でも遅れてしまった場合、電車を利用するすべての人々のスケジュールを狂わせることになるからです。
秒単位でなく分単位で遅れた場合、大切な予定に間に合わず怒りをあらわにする人が大勢出てきますよね。

それだけ時間の遅れが人々の生活に影響する業種だからこそ、社員一人一人が当事者意識を持ち、時間に厳格でなければなりません。

ルーティンワークが大半

鉄道会社の仕事は、とにかくルーティンワークが多いです
マニュアル化され、少しも逸脱できないものばかり。

現業職の仕事をイメージすれば、マニュアルで押し固められた仕事をこなさなければならない意味が見えてきますよね。
車両の整備でいえば、一つでもマニュアルと異なる処置を車両に施してしまった場合、大規模な車両事故にも繋がりかねません。

善く言えば、一度覚えてしまえば淡々とこなせる仕事。
悪く言えば、あまりにも変化がないためすぐ飽きてしまう仕事。

4つの職種すべてにおいて、このような仕事を繰り返すだけの期間が必ずどこかにあります。

副業に対し寛容でない

鉄道会社は、副業に対して寛容ではありません

JR東日本は2021年の7月から副業の容認を開始するとの旨を発表しましたが
グループ会社以外での副業は、本業に支障を来す可能性があるとして引き続き原則禁止とされます。

JRに関しては、副業OKになるのはこのJR東日本のみです。
JR以外の鉄道会社においても副業OKの会社は少数で、鉄道会社全体として副業に対し寛容でないと言えます。

新幹線(または電車)を見てもワクワクしなくなる

新幹線など、本来はワクワクするようなものを見ても一切ワクワクしなくなります

これはとくに現業職にいえることなのですが、仕事の時間も常に新幹線(または電車)を目にすることになります。
新幹線は「夢の乗り物」とよく言ったものですが、毎日目にしていたら新幹線に対する特別な感情は消え去ってしまうでしょう。

鉄道会社に向いてる人・向いてない人の特徴まとめ

鉄道会社ならではの7つの特徴を踏まえた上で、鉄道会社勤務に向いてる人・向いてない人の特徴について以下にまとめます。

鉄道会社に向いてる人の特徴

  • 仕事に変化を求めない
  • 生粋の安定思考
  • 多くの人と関わりたい
  • 早起きが得意
  • どこでも寝られる
  • 鉄道会社で生涯を終えたい
  • 鉄オタでない

鉄道会社に向いてない人の特徴

  • 常に変化のある刺激的な仕事がしたい
  • 仕事を数字で正当に評価されたい
  • 少人数で仕事がしたい
  • 睡眠時間をコントロールできない
  • 副業にも意欲的に取り組みたい
  • 鉄道以外のキャリアも積みたい
  • 鉄オタ


以上が鉄道会社勤務に向いている人・向いてない人の特徴です。
皆さんはどちらのほうが多く当てはまりますか?

確信を持って言えるのは、鉄オタは鉄道会社に入らない方が身のためです
「電車を見るのが好き!」という気持ちはプライベートの範囲に留めておいた方が良いと思います。
仕事で毎日電車を目にすると、「もう見たくない!」という気持ちになりかねません。

それでも「鉄道会社に一生居続ける!」くらいの覚悟と鉄道に対する情熱があるならば、鉄道会社に入社する道を選ぶのはオススメです!

鉄道会社への入社を検討している皆さんは、本記事の内容をぜひ参考にしてみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

少しでも鉄道会社選びの参考となれば幸いです。



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